周りを気にしないオフィスアロマ デスクで楽しむパーソナルな香りの活用術
オフィス環境での集中とアロマ
オフィスでの業務において、高い集中力を維持することは多くのビジネスパーソンにとって重要な課題です。周囲の音や視線、あるいは自身の疲労など、集中を妨げる要因はさまざまです。アロマテラピーは、植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)の香りの力を借りて、心身の状態を整える方法として知られています。集中力を高める効果が期待される香りもあり、オフィス環境での活用に関心を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、オフィスは共有スペースであることが多く、個人の好みに合わせて自由に香りを使うことは難しい場合があります。特に、香りに敏感な方やアレルギーをお持ちの方もいらっしゃるため、周囲への配慮は不可欠です。
この記事では、オフィスという環境で、周囲に迷惑をかけることなく、自分だけの空間でこっそりと集中力をサポートするアロマの「パーソナルな活用術」に焦点を当ててご紹介します。
オフィスで香りを広げないためのアイテム選び
オフィスでアロマを使用する際に最も重要なのは、香りを広げすぎないことです。一般的なアロマディフューザー、例えばネブライザー式や超音波式は、香りを空間全体に拡散させるように設計されています。これらは自宅などで使用するには適していますが、オフィスのような共有空間では香りが広がりすぎてしまい、周囲の方の迷惑になる可能性があります。
オフィスでのパーソナルな使用には、以下のような「香りの拡散が限定的なアイテム」を選ぶことをおすすめします。
- アロマストーン・アロマウッド: 素焼きの陶器や木材に精油を数滴垂らすだけのシンプルなアイテムです。電気や火を使わず安全で、香りは石や木材の周囲にごく狭い範囲で漂うため、デスク上など自分だけの空間で香りを楽しむのに適しています。デザインも豊富で、インテリアにも馴染みやすいものが多いです。
- ロールオンフレグランス: 精油を植物油などで希釈し、ロールオンタイプの容器に入れたアイテムです。手首や首筋など、直接肌に塗布して使用します。香りは非常に限定的で、自分自身が最も香りを感じやすい方法です。リフレッシュしたい時にさっと塗れる手軽さも魅力です。アロマショップやブランドによっては、「集中用」「リフレッシュ用」といった目的に合わせたブレンドされたロールオンが販売されています。
- アロマスプレー(限定的な使用): 精油とアルコール、精製水などで作ったスプレーです。空間全体にスプレーすると香りが広がりますが、ティッシュペーパーやコットンにごく少量吹き付けてデスクに置くといった使い方をすれば、香りの広がりを抑えることができます。ただし、スプレー液が周囲のものにかからないように注意が必要です。
パーソナルアロマにおすすめの香り
集中力をサポートするといわれる香りはいくつかありますが、オフィスでのパーソナルな使用に適しており、アロマ初心者にも扱いやすい代表的な香りをご紹介します。
- レモン: 柑橘系の代表的な香りで、フレッシュで爽やかな香りは気分を明るくし、集中力や記憶力の向上に役立つといわれています。誰もが受け入れやすい親しみやすい香りです。
- ローズマリー: シャープで刺激的な香りは、脳の活性化や記憶力のサポートに良いとされています。ただし、香りがやや強めなので、少量から試すのがおすすめです。集中したい作業の開始時などに適しています。
- ペパーミント: 清涼感のある香りは、眠気を覚まし、頭をスッキリさせるのに役立ちます。集中力が途切れてきた時や、午後の眠気を感じる時などに少量使うのが効果的です。
- ユーカリ: クールでクリアな香りは、呼吸を楽にし、頭をクリアにするのに役立つとされます。集中したい時だけでなく、気分転換にもおすすめです。
これらの香りを単独で使用しても良いですし、目的に合わせてブレンドされた精油やロールオン製品を選ぶのも手軽な方法です。例えば、レモンとローズマリーをブレンドすると、より相乗効果が期待できるといわれています。
アイテム別の具体的な使い方と注意点
選んだアイテムに応じて、オフィスでの具体的な使い方と、周囲への配慮のための注意点を確認しましょう。
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アロマストーン・アロマウッドの場合:
- デスクの隅など、自分に近い場所に置きます。
- 精油は最初1〜2滴から試してください。香りの感じ方は個人差があります。香りが弱いと感じたら1滴ずつ増やしますが、最大でも3〜5滴程度に留めるのが無難です。
- 香りは時間とともに弱まります。香りを補充する際も、周囲への配慮を忘れず、少量から試してください。
- 他の人の席から香りがしないか、休憩時間などに確認できるとより安心です。
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ロールオンフレグランスの場合:
- 休憩中や、席を立った際などに使用するのが望ましいです。
- 手首の内側や、耳の後ろ、こめかみなど、体温が高く香りが広がりやすい場所に少量塗布します。塗りすぎると香りが強くなりすぎるため注意が必要です。
- 肌に直接塗るため、必ず肌に使用できる濃度に希釈された製品を選んでください。また、使用前にパッチテストを行うと、肌トラブルのリスクを減らせます。
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アロマスプレー(ティッシュなどに使用)の場合:
- 精油が適正な濃度で希釈されたスプレーを使用してください。
- ティッシュやコットンを小さく折り、そこに1プッシュだけ吹き付けます。
- デスクの引き出しを開けたときだけ香るようにするなど、香りが極力広がらない工夫をします。
- 使用済みのティッシュやコットンは、香りが漏れないようにすぐにゴミ箱に捨てるか、小さな袋に入れて持ち帰るなどの配慮が必要です。
オフィスでのアロマ使用におけるさらなる配慮
- 香りの強さを常に意識する: 自分にとっては心地よい香りでも、他人にとっては強く感じられる場合があります。休憩のために席を離れ、戻ってきた際に香りが強く感じられないか確認するのも一つの方法です。
- 換気を心がける: 定期的に窓を開けるなどして換気をすることで、オフィス全体の空気を入れ替えることができます。これはアロマ使用の有無にかかわらず重要ですが、アロマ使用時は特に有効です。
- 体調や気分に合わせて選ぶ: 集中したい時だけでなく、気分転換したい時やリラックスしたい時など、その時のご自身の状態に合った香りを選ぶことで、よりアロマの効果を感じやすくなります。ただし、複数の香りを同時に使うと香りが混ざりすぎて強くなったり、不快に感じられたりすることがあるため注意が必要です。
- 周囲への確認も検討する: 可能であれば、近くの席の方に「少し香りを使っても大丈夫か」と確認してみるのも丁寧な姿勢です。事前に相談することで、お互いが気持ちよく過ごせる環境作りにつながります。
まとめ
オフィスで集中力をサポートするためにアロマを取り入れたいとお考えの際は、まず「香りを広げない」ことを第一に考えることが大切です。アロマストーンやロールオンフレグランスのような、パーソナルな空間で香りを楽しむことができるアイテムを選ぶことで、周囲に配慮しながらアロマの恩恵を受けることが可能になります。
レモンやローズマリー、ペパーミントなどの集中力に良いとされる香りを、ご自身の好みやその日のコンディションに合わせて選び、少量から試してみてください。アイテムごとの正しい使い方と、香りの強さへの配慮を忘れなければ、オフィスでも自分だけの集中空間を作り出し、業務効率の向上につなげることができるでしょう。
この記事が、オフィスでの賢いアロマ活用の一助となれば幸いです。